さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学 | 書評 読んでみんさい、この本!

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学

 実は最近簿記の勉強をしており、「簿記はアートだ」と思わず叫んでしまったことがあります。この本を読むと、かのゲーテが「最高の芸術」と呼んだとか。俺は天才か!?


 金融に長くいた割には、会計の有用性に対する認識が低いのではないかという疑問が勉強すればするほど強くなる。。。もっと早く勉強しておけば良かった(残念!!!)。

 

 「おやっ」と思わせるタイトルについ釣られて買ってしまいましたが、お買い得でした。


 いくつか学ぶ点がありました。


 ひとつは、むずしかいことを易しいことばで伝えることの重要性。会計の本はとかく難しいように思える(実際そうですよね!)のが一般通念だと思いますが、この本は、筆者がかなりこの点に留意しています。(最近のインタビューでアップルのスティーブ・ジョブズが「アップルは最先端の技術を、もっとも使い易いかたちで製品にすることに長けている会社」といっていましたが、人を説得するにはこれが必要なんですね。


 著者の山田真哉氏は最近「世界一受けたい授業」に出演した「女子大生会計士の事件簿」というベストセラーシリーズの著者だとか。若いのにすごいです。


 例えば、先日紹介した京セラの稲盛さんの本にあった「一升買い」がトヨタの看板方式に通じているということが理解できました。私もよくICレコーダー用の電池を安いからといって大量に買うのですが、交換するときになってどこにおいていたのか分からなくなり、結局在庫として家やオフィスのいろんなところに埋もれてしまうという経験があります。必要な時に必要な分だけというのが、会計を理解した人の知恵のようです。


 あるいは、連結決算の話はベッドタウンの高級フランス料理店を例えに引いて、なるほどと分からせてくれる。会計とおおげさに構えなくても、読み物としてなかなか面白い本です。皆さんもいかが?


著者: 山田 真哉
タイトル: さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学