書の至宝展 上野国立博物館平成館 | 書評 読んでみんさい、この本!

書の至宝展 上野国立博物館平成館

 たまには文化の香をということで、上野の森に行ってきました。


 2月19日まで開催されている「書の至宝展」 という中国と日本の歴史的に有名な書家や有名人の残した書の展覧会です。


 小学生から高校まで書道を習っていたので、王羲之(おおぎし)という偉い書家の字を模して書きなさいと言われたり、空海、小野東風、良寛などの著名人が、書家であったことなども少しは知っていましたが、こういう展示を見るときは、もっとそういうことを勉強しておけばよかったと思うものです。


 聖徳太子の字だとか一休禅師の字だとか、そういう展示もあり、ひとつひとつの文字に、思いを込めて書いた様子が思い浮んできて、何となく、そういう歴史上の人物の隣で、書かれる手紙やお経、屏風などを観ているような錯覚を覚えました。


 書いてあることの意味はほとんど分からなくても、書というものは、ひとつひとつの形や、紙の上の文字全体の配置などが美しく、芸術性を感じさせるものだと思いました。


 また、奥州平泉の中尊寺に残る青い下地に金と銀の文字で書かれたお経や、きらびやかな紙の上に書かれた古今和歌集の歌の書付などは、時の権力者の力を彷彿とさせるものがあります。


 王羲之をはじめとする中国の書家の作品は、一様におおらかな筆致で、いかにも大陸の文字だと私には思えました。


 私などは、知識不足のため、おそらく非常に浅い楽しみ方したできていないのでしょうが、それでも、「いいものにふれた」という感動が味わえました。


 開催は今月の19日までだそうです。2時間くらいあれば、結構じっくり観ることができるのではないでしょうか?


 国立博物館平成館という場所も初めて入りましたが、立派な設備だし、周りの環境も含めて、心落ち着ける場所です。是非!