部下は必ずついてくる!「叱る」魔術 片岡五郎著 | 書評 読んでみんさい、この本!

部下は必ずついてくる!「叱る」魔術 片岡五郎著

片岡 五郎
「叱る」魔術―部下は必ずついてくる!

 片岡さんは悪役俳優兼人材育成コンサルタントとして企業研修などでも人気の高い方だそうです。


 近々私が企画、立案する会議で講師としてお招きすることになり、最近直接お会いする機会を得ました。この本はその時片岡さんから頂いたものです。


 片岡さんとの会話の中で印象的だったのは「自分が自分を見ることは一生できない。自分は人に見られるためにいると思うこと」ということばでした。


 鏡を使えば自分を見ることができるというのはそうかも知れないが、生身の自分を、他人が見るように見ることは確かに不可能です。もちろん、映像というかたちで後で見ることはできるようにはなりましたが、本当の意味で、自分を他人が見るようにみることは、言われてみれば不可能だなと。。。


 そこで大切なことは、片岡さんによれば、「今の自分は、他人からどういうふうに見られているか」を客観視できる自分を持つことなのだそうです。今、ある行動をとっている、あるいは言葉を発している自分を相手はどう観ているだろう、そして何を思っているだろうということを想像することなのだとか。


 私自身、言われて見れば、今この瞬間の自分が他人からどう見られているかを客観視するということは意識したことがありませんでした。この「自分を客観視」することを仕事としている人から俳優さんから見ると、一般人に欠けている視点なのだそうです。なるほど!


 今日取り上げた本は、「叱る」というテーマを通して、他人に自分はどう見られているのか、その見られている自分を、相手にとって好感の持てる、一緒に仕事をしたい上司にするにはどうしたら良いかということを教えてくれます。


 丁寧にも、自分を客観視する訓練法などもあります。また、こういうしぐさや表情をすると、なるほどこういう風に見られているんだということがよく分かるように、写真をたくさん使って見せてくれています。さすが俳優さんです。


 少し前に、「人は見た目が9割」という本をご紹介しましたが、その本の帯に書いてあるキャッチフレーズが「理屈はルックスに勝てない」というものでした。今日の片岡さんの本のメッセージにも通じるものがあります。


 見た目の他に、声も大切だそうです。私がボイストレーニングに着目したのは、あながち的外れではなかったと。。。楽しく、嬉しい読書でした。