「御社の営業がダメな理由」 藤本篤志著 | 書評 読んでみんさい、この本!

「御社の営業がダメな理由」 藤本篤志著

藤本 篤志
御社の営業がダメな理由

 先月に続き、「みのむし」さんから投稿頂きました。センスって先天的なものなんでしょうか?


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 著者の藤本さんは、元々作曲家志望で会社勤めをする気などさらさらなく、大学卒業時の就職活動も一切しなかったそうです。そういう人がなぜこの本を書くに至ったか、というのは読んでのお楽しみで・・・・。


 考えさせられたのは、営業能力には先天的な「センス」と後天的な「知識」があり、前者は決して教えられるものではない、ということでした。


 私が(別の分野ですが)人に物を教えている時も、やはり教わる側のセンスの有無を感じることがあります。お金をもらっている仕事(サービス業)ですから、センスのない人に「あなたには向いていないから、やめた方がいいですよ」とは言えません(それは詐欺行為だと言う人もいるのですが)。また、最初それほど
センスがあるように思えなかった人が、ある日上達しているのに気づく、ということはよくあります。


 また人の能力、価値観や目指す目標は多種多様で、誰もがトップセールスマンになれる訳ではないし、その資質がない人が無理に目指す必要もないでしょう。そこで著者は、現実的な解決策として、生まれつき営業能力に恵まれた2割の営業マンを採用するのではなく、標準的な能力を持った6割の人をどう生かせば売上が上がるのか、という具体的な方法論を展開しています。その例として、営業日報や営業マネージャーのノルマの廃止を挙げています。


 営業の仕事をしていない私でも、自分を含めて、能力開発や人材育成の点から興味を持って読むことができましたので、お勧めします。