陰日向に咲く 劇団ひとり著 | 書評 読んでみんさい、この本!

陰日向に咲く 劇団ひとり著

劇団ひとり
陰日向に咲く

 いやぁ、参った!という感じです。

 いろんな才能のありそうな人だなあとは思っていましたが、こんなに余韻のある小説が書けるとは。。。


 どんな小説を読んだ時とも違う感慨がありました。


 日常的な生活の中で、そんなことを思うこともあるよなぁと思わせる部分もあれば、「どういう経験をしたらこんな発想が出てくるんだろう」という部分もあり。。。いつつかの短編が並べてあるのだけれども、それらがかすかにつながっていたり。

 そうかと思えば、読者の思い込みを利用して(例えばある人物をこれは完全に女だと思わせておいて)最後にどんでん返し(実は男だった)、これはミステリー小説みたいだ。。。


 多分コメディアンになるということは、経験と、お客(読者)を喜ばせるすべを多く持つということなんだろうなというふうに思いました。力をもっとも感じるのは、彼が次に書く本を早く読みたいと思わせてしまうところ。


 夏休みの最初の読書は、充実感がありました。