書評 読んでみんさい、この本! -11ページ目

ジンクスで読む日本経済 宅森昭吉著

 サラリーマンを続けながら自分を出していく、自分のブランドを作り上げ第二の人生に備えなければ、そういった危機意識を抱えて生きている中高年サラリーマンは多いはずです。私もその一人です。


 これまでもサラリーマンを続けながら、第二の人生をめざす生き方をしっかり築いてきた人は多くいらっしゃいますが、それでもmajorityとは云えないでしょう。


 今日ご紹介する宅森さんは、現在三井住友アセットマネジメントのエコノミストとして、同社の資産運用への方向性を提言する仕事をされているようです。そういうサラリーマン人生の中で、仕事の中で自分を主張するという元気のでる仕事の仕方をされているのではないかと思います。この意味で、サラリーマンをしながら自分のブランドを作られた成功者だと思います。


 昔竹内宏さんが「路地裏の経済学」という本で書かれていたような、一見無味乾燥な景気予測などを完成させるバックボーンとなっているエコノミストの巷の事象を見る眼を、宅森さんはこの本で見事に描かれています。その意味で、経済学は生きた学問だという感覚がよく分かる本です。


 もうひとつおもしろいのは、意外な数字や事象から景気が予測できるという切り口を、宅森さんがここで私たちに示して下さっていることです。


 第1、2章はスポーツと景気の関連(特に第1章は「プロ野球と景気」となっていて、趣味が嵩じた仕事が良い仕事となると思わせています。)第4章では「身近なデータと景気」となっていて、経済とはこういう見方をすれば身近なものになるんだと思わせる「おもろい」解説が一杯です。


 いくつか例を上げると。。。


・リカちゃん人形売上は景気よりやや遅行する

・成田山の初詣客数は消費性向とリンク

・不況期元気が出る「人生の応援歌」がヒット


 こうした景気に関する本は、往々にして、少し時期が過ぎると、予想に対する答えが出た後なので、色褪せる傾向がありますが、この本にはあてはまらないようです。ビールを読みながら読める経済の本、と云ったら宅森さんは喜ばれるのでしょうか、怒られるのでしょうか?


 近々お会いする機会があるので、お聴きしたいと思います。


宅森 昭吉
ジンクスで読む日本経済

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プライズ・プライズ!


Maryのチョコレート ベルギー王室御用達のチョコレート


 ベルギーのチョコレートではゴディバ、最近では大丸で売っているヴィタメールが有名ですが。今日ご紹介するMaryはあまり知られていませんが、一押しのベルギーチョコです。


 ふと思い出して、ウェブで探してみたら出てきました。(Maryの歴史。私が会ったのはLamberty夫妻です)

 私はあるご縁で、この店の前のオーナーに会う機会があり、ブラッセルのRue Royal(ロワイヤル通り)にある店の階下にある工房に入れてもらったことがあります。


 縦40センチ、横50-60センチ厚さ5センチくらいのカカオの板を機械の中に通し、溶けたカカオが下の蛇口のようなものから出てくる。そこに指を差し出して落ちてくる液体状のカカオをちょっとなめてみなさいと促されなめました。


 私は味音痴といってもおかしくない人間ですが(というか味にあまり頓着しない)、この時ばかりは「チョコレートってこんなにおいしいものなんだ!」と感銘を受けました。それ以来、この銘柄のファンになりましたが、いかんせんベルギーを離れてしまったので、15年くらい食べたことがありません。


 本来チョコレートは、その日に造ったものをその日に食べる生菓子で、ベルギーでは食後のデザートとしてお酒といっしょに食べる大人の味だとも教えてもらいました。


 ウェブで、日本からでも注文できるとあるので、何かの機会に買ってみようかと思います。皆さんにはそこまでお勧めする訳にも行きませんが、もしベルギーに行かれることがあれば、是非お試しになることをお勧めします。絶対後悔しません!特に私が好きだったのはlangue de chat (猫の舌の意)というまさに猫の舌のような形をした小さな板状の作品(そう呼ぶのが相応しい)です。ウェブには載っていないので、もう造っていないのかも知れません。


 ヴィターメールも思い出のある店です。ブラッセルの中心街にあるサブロン広場(骨董市でも有名)の一角にある小さな店(お店の写真 )。今は大丸に出店しているので、手軽になりました。これも味は素晴らしいです。



ハクレンのジャンプ

 話しは違いますが、このブログを書いているときにNHKの番組でめずらしい大型魚ハクレンのジャンプのビデオが放送されました。おもしろいので、ウエブで情報を拾ってみました。


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プライズ・プライズ!

R25のモバイルサイト うれしいイベント情報 今日は隅田川の花火大会だ!

r25表紙



R25。街のそこらじゅうで見かける無料雑誌ですが、これがなかなかよくできています。


若者向けということで、いろいろな社会人として知っておくべき用語、項目についての解説がコンパクトにまとめられている貴重な雑誌です。ただでこんなきれいな雑誌を配りまくるリクルートの発想に敬服します。


実は、われわれ中高年(このことば好きじゃないですが。。。)にとっては「いまさらきけない○○」的な用途があって、かつ、最近のトレンドも載せているので、実はとても貴重な情報源です。


毎号長編インタビューがあり、これがまたおもしろい。今週号は「つんく」でした。彼の音楽家というより、サービスのプロ的な側面と、この間紹介したイチローのビジネス動体視力を備えた人物としての側面がじつによく書けています。


あっという間に街のラックからなくなるほどの人気なので、定期購読しようかと思っているくらいです。


また、最近R25が始めたモバイルサイトが優れものです。私もよくドコモで天気、時刻表を観たりするのですが、こっちの方が早い。特に、ドコモなどでは、有料コンテンツになっている野球速報とか、テレビ番組表もタダで、しかもサクサク感の十分にある画面展開で観ることができるので、これからはこちらで情報を取ることにしました。タダですから。。。。お試しの価値ありです!


悔しいけどブックリビュー も充実しています。


ちなみにわたしはリクルート社の従業員ではありません。純粋ユーザーの立場でコメントしました。


ここです↓

R25



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プライズ・プライズ!


ニューヨークで見つけた!新しい私    久和 ひとみ著

 人気ニュースキャスター、久和ひとみさんは、2001年3月1日に亡くなりました。


久和さんの訃報

 

 私の米国時代、ある雑誌社の記者の友達だということで知り合ったのが彼女でした。


 その時彼女はコロンビア大学に研究員。まもなく学業を終え日本に帰る前で、最後に論文十尾中でした。題材を当時問題になっていた米国三菱自動車のセクシュアル・ハラスメントに取るので、取材を手伝って欲しいという依頼を受けました。


 手伝うといっても、人を紹介することぐらいしかできないので、知合いの弁護士と、パブリック・リレーションの専門家を紹介したり、参考文献を提供したり。。。


 実はそのときの経緯が書いてある本が今日ご紹介する本です。


 ちなみにこの本の197ページに「古い友だちから電話があって、朝食を取りながら慌しく会うと、同席していた彼の仕事仲間の男性が、「三菱自動車のセクハラの件なら、日系企業一般の問題として詳しく語れる人をしてますよ」と言った。」という下りがあります。ここに出てくる「古い友だち」とは先ほど書いた雑誌社の記者であり、「彼の仕事仲間の男性」が私です。このことを証明してくれる2人のうち、一人が若くして亡くなったのは、本当に残念なことです。


 ニューヨーク留学時代、出発から帰国の時までの経験をつづった本です。あとがきに次のような一節があります。


「この本では私自身の人生の選択や変化を縦糸に、ニューヨークという刺激的な街や日米社会の観察を横糸に、行くときから帰るまでをつづってみた。留学中の私が困ったこと、頑張ったこと、笑ったこと、感動したことなどを読者の皆さんが一緒に味わってくれて、そして私がニューヨークで得た元気を皆さんにも分けてあげられたら心から嬉しく思う。」


 ニューヨークに行きたい人、これから行くことになっている人、キャリアアップを狙う女性、ジャーナリストやジャーナリスト志望者、離婚経験者いろんな人に元気を与える本です。まぁ、読んでみんさい!


 当時自営業をやっていた私は、「自営業はいろいろ大変よ、楽しいけど」と弱音をはいた私に「私は学校卒業以来ずっと自営ですよ!放送局はどこにもぜーんぶ断られて、はぁ、はぁ、はぁ(と豪快な笑い)」と。彼女を放送局に勤務していた苦労知らず野花形アナウンサーだと誤解していた私は、申し訳ない気持ちになった覚えがあります。彼女はもちろん私を元気づけてくれたわけですが。。。


 日本に帰ってからは、大好きなニューヨークに行く機会の少なかった彼女に、ニューヨーク紀伊国屋(http://www.kinokuniya.com/newyork/ ・・・ここの「本屋のおまけ」が面白い冊子で、結構人気有りました。今はもう発行してないのかな。バックナンバーがこのサイトに載せてあります)での講演/サイン会をアレンジしたこともあります。1998年9月25日、彼女の38歳の誕生日でした。


 「元気を皆さんにも分けてあげられたら」と書いた彼女が、その3年後、40歳の若さで癌に倒れたのは、よほど無念だったと思います。


 彼女には何冊かの著書がありますが、多くは再版されていないものが多く、長く読みたいと思いながら手に入りませんでした。最近アマゾンでまとめて買ったので、また紹介したいと思います。彼女の文章はかなりうまいですよ!


久和 ひとみ
ニューヨークで見つけた!新しい私―35歳からの留学ストーリー


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麹町 一元屋の「きんつば」

 「食べてみんさい。。。」第2弾です。


 広島出身の私も実は東京が長い。


 キャリアがスタートしたのが、麹町なのですが、勤めていた会社で、お客さんへの贈答品として使われていたのが、この麹町一元屋 (いちげんや)のきんつばと村上開新堂村上開新堂 の数日前からオーダーしないと焼いてもらえないクッキーでした。


(手元にお店やきんつば現物の写真がなく、一元屋の紹介記事を「浪花のOLミナック」のブロッグからリンクのかたちで拝借しております。ありがとうございます。)



 村上開新堂のクッキーは実は今に至るまで食べていません。(今度のかみさんの誕生日プレゼントにしようか!それで、僕の方がいっぱい食べる。。。)一元屋は、初めてその味を知ってから25年立ちますが、はまってます。


 仕事で麹町界隈に行くと、必ず寄ります。そして通常はばら売りで数個買って帰ります。職場に持ち帰って同僚に食べさせると、かならず評判になります。


 あのきんつばのあんこの「ネチャー」感がなく、甘みも抑え気味、本当に上品でしつこくありません。


 この超一流のきんつば、実はパン屋さん(一元屋)が作ってました。昔はパン屋の奥の方でこっそり売っており、それがまた良かったんです。「君、知らないよね、一元屋。こりゃ、やっぱ通じゃないと」と自慢してみせられる、そんな快感をくれるお菓子だったんです。


 つい先ごろお店に行きましたが、パン屋は既に廃業、きんつば一本で勝負だそうです。麹町版選択と集中です。ご主人は「パン屋はたいへんなだけで、儲からないんです」みたいなことを仰ってました。


 麹町界隈はこの他クッキーで有名な泉屋、京都和菓子の鶴屋八幡やうなぎの老舗秋元などがあり、食通の方には嬉しい街です。最近は少しごぶさたで、だいぶ変わりましたが、ついでの時はお立寄をお奨めします。


一元屋のインフォ
 千代田区麹町1丁目6番地(新宿通りと大妻通りの角をほんの少し一番町方面に行ったところです。)
 TEL:03-3261-9127


麹町界隈のおすすめ店

(やきとりに剣暮帰/けんぼっけと読むも大好きな店です。未だにビールはキリンだけ)



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イチローから盗め、ビジネス動体視力

 先日このブログでご紹介した杉山勝行さんの本です。杉山さんはサラリーマンを続けながら、ベストセラー複数を含む30冊近い著書をお持ちのスーパーマンです。


 一冊でも本を出したいと思っている私としては、杉山さんとお知り合いになれて、彼のものの考え方を吸収しようとしております。


 その意味で、この本は非常に示唆に富んでいます。


 世の中に新たなものの見方を提供しようとする姿勢にスポーツ用語である動体視力と、ビジネスを結びつけ、そこにイチローというひとつのテーマに徹底的に喰らいつく飽くなき取材態度、好奇心が可能にした本です。


 この本は基本的にイチローに学ぶというテーマですが、作者を知ってしまった私にとっては、関心はこの本がどうやってできたかに関心がついいってしまいました。


杉山 勝行
イチローから盗め、ビジネス動体視力


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ドラッカーさんが教えてくれた経営のウソとホント 酒井 綱一郎


 酒井さん、実は私の友人です。しばらくぶりでお会いしたら、日経BP社の執行役員にご昇進になられてました。おめでとうございます。現在は、日経BP、日経アソシエなど5誌の発行人として大活躍です。


 先日お会いしたのは、私の会社での社内勉強会にいつか講師として来て頂きたいと厚かましくお願いするためだったのです。趣旨は、この著書の題名にもなっている「経営の神様」ピーター・ドラッカーをはじめとして、経済界を中心に多くの大物経営者にインタビューしてこられた酒井さんから「インタビュー術」を聴かせて頂きたいということでした。


 私の勤務先で行う勉強会の主な出席者はセールスの現場で頑張っている人たちです。お客から信頼され、本音を引き出しセールスにつなげるプロセスは、ジャーナリストがインタビューを準備し、実行し特ダネを引き出すプロセスにとても似ていると私自身が思っているからです。


 その日は酒井さんからの種明かしはありませんでした。「うーん、かなり色んな準備がありますね。。。」と一言だけありました。


 この本の序章で、酒井さんがニューヨーク駐在記者時代にはじめてドラッカー氏にインタビューするに至った経緯が披露されていて、その経緯も実はわが社のセールスの人たちに聴かせたい内容です。つまり、インタビューの申し入れに対し10分後に”Sold Out"(日経関係の取材に回す時間はもうないという趣旨らしい)と書いたファックスで断ってきたドラッカー氏とどうやってインタビューに漕ぎつけたか。。。


 企業研修を作る立場の私としては、研修のロールプレーイングの題材にしたいようなエピソードです。


 この書は、ドラッカーさんとのインタビューの紹介本ではありません。


 さまざまな大物との出会いや経済記者としての経験から、「いろいろな経済、経営に関する常識を打ち破れ」という酒井さん自身のメッセージとなっています。多くのヒントを頂きました。


 酒井さん、ありがとうございます。

酒井 綱一郎
ドラッカーさんが教えてくれた 経営のウソとホント

冒頭にドラッカー氏の推薦文があるのは、迫力あります!



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自分ブランドの創り方

 実は今日、この本の著者である杉山勝行さんのセミナーに参加してきました。(その模様はhttp://plaza.rakuten.co.jp/hirotoda/diary/200507170001/ で)  


主催者高畠真由美さんのブログ「幸福の女神の「感動ものがたり」」http://plaza.rakuten.co.jp/takahata/


そのセミナーの教材がこの本でした、セミナー内容に刺激を受けて、終了後にすぐ読みきりました。世の中にはすごく輝いて情報を発信している人がいるんだ、と感銘を受けました。


同時に、自分がやってきたことを、あながち間違ってはいないなと思いました。  つまり、会社のブランドと自分のブランド創りは相反するものではなく、自分のブランドが確立して、世の中で認知され、お呼びがかかるようになれば、会社の中での自分の存在感も上がり、会社への貢献もできるということです。  


この本の中には、珠玉の言葉がちりばめられていますが、その中からひとつだけ紹介します。  「朝日新聞社で名編集長と謳われた故扇谷正造氏も言っていた。「『浅し新聞の扇谷正造』ではなくて、『扇谷正造のいる朝日新聞』といわれるようになれ」と。このことば、サラリーマンをこれからしばらくは続けていく私には、これ以上ない目標をなります。


杉山 勝行, 後藤 信子
自分ブランドの創り方―個人がブランドとなる時代がきた



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東京ブチブチ日記

 古い本ですが、私は気持ちが落ち込んだときに読むと、ガハハッと笑って、心機一転新たな意欲をくれるという、「いざという時はこの薬、正露丸」的な常備薬(ではなくて常備書)です。


 著者はご存知サラリーマン漫画「ショージ君」の作者ながら、作家としても超一流。その針小棒大、抱腹絶倒、奇想天外ぶりは棒弱無人。(訳わかりませんね)


 作風は、電車のつり革につかまりながら読むと、向かいに座っている人につばを吐きかけながら、大笑いしてしまうほどの図抜けたユーモア、しゃれがあるので、決して電車では読まれないことをおすすめしなければいけないほど、おもしろい。。。と言っても分かってもらえないかも知れませんが、でも常備本として読まれるのはおすすめします。


 すべての作品が口語体、さすが漫画家を思わせる観察力、そしてそれをこれ以上「うーん、あるある、そういうの!」と読者に言わせることができないほどの「言いえて妙」な表現の数々。私は長年のファンなのです。


 食い物を中心に旅行記シリーズ、「まるかじり」シリーズとヒット作は数々ありますが、私のお気に入り、ダントツ一押しは「東京ブチブチ日記」、その中でも最初の短編「春のお出かけ」は秀逸です。


 ま、いっぺん読んでみんさい!


ブチブチ日記
東海林 さだお
東京ブチブチ日記


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「老いじだく」成年後見制度と遺言

  今週初に、この本の著者を私の勤務先に来て頂き、2時間ほどの勉強会を開きました。

 成年後見制度という、まだ耳慣れない制度ですが、少子高齢化を迎えて、退職後の人生を豊かに、懸念暮らすには非常に有効な制度であることが、非常によく分かりました。


 社内で、聴講希望者を募ったところ、30名ほどの応募があり、講義後の質疑応答の極めて活発。聴衆はほとんど30代、40代の現役でしたが、扱う商品の中心的な購買層がシニア層ということもあり、この制度を理解することへの必要性を皆が十分感じ取ったようでした。


 この制度は、自分が「認知症(痴呆)になった時に備えて、予め後見人を決めておく」制度。これまでの家族制度の変化などを背景に、こどもに老後を託すことがむずかしくなっている現状にマッチする制度と言えそうです。


 介護保険と同時にスタートしたこの制度ですが、その有用性についての認知度がまだ低く、中山先生は制度の普及に日本中を飛び回っていらっしゃるとか。。。


 今日紹介する本は、実は、私と先生を結びつけた本で、この本を読んで講演を頼むために、先生の事務所を訪ねたのが、お会いするきっかけでした。制度の概要がよくまとめられているのと、さまざまな(なまなましい)事例も多く、格好の入門書かと思います。


 人事ではない、痴呆、老後の問題。是非、ご一読を。

中山 二基子
「老いじたく」成年後見制度と遺言


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