書評 読んでみんさい、この本! -9ページ目

鈴本で落語を

suzumoto


 仕事で先々週区切りとなる大きなイベントを担当し、それが終わったので、取っていなかった夏休みの替わりの休みを3日ほど取っています。昨日はその初日。


 しばらく行っていなかった寄席に行きたいと思い、ふらっと上野の鈴本演芸場へ。

 行って思い出したのだが、今年は一挙に5人の真打が生まれたとか。鈴本ではそのお披露目興行が行われていました。昨日は三遊亭金太改め金也。新真打誕生についての新聞記事


 普段の寄席は落語を中心にした演芸15分きざみにどんどん続けられて3-4時間続くのですが、昨日はお披露目ということで、師匠の三遊亭金馬、三遊亭円丈 (先日紹介したらん丈さんの師匠)、橘家円蔵そして鈴々舎馬風という有名どころが出ての口上があって、その師匠たちの話が聴けるというもの。満足度アップでした。


 最後は新真打の金也が長く話すというプログラムとなっていましたし、この日をめがけて新真打を応援する人たちからの「いょっ」という掛け声があったり。。。寄席の別の楽しみがありました。


 私として最も楽しめたのは。。。のいる、こいるの漫才と正楽師匠の紙切り(実演が見られます) かな。この紙切り、一見の価値有りですよ。いち早く声を掛ければ、希望のお題で紙を切ってくれて、そのお持ち帰りが可能です。これ良いでしょ。


 この新真打紹介の特別興行は29日までだそうです。入場料2200円とお手頃です。


鈴本プログラム


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パソコンで文章がうまくなる 鐸木 能光著


鐸木 能光
パソコンで文章がうまくなる!

 ブログを始めて以来、どうやったら読んでもらえる文章が書けるのかということには意を用いてきたつもりですが、いろいろ自分なりに「こうすれば良いんだ!」と思えるようなポイントはいくつか見つけることができました。

 そうした折に、本屋で見つけたのがこの本です。

 これまでもいろんな人の文章読本を読んできました。多くなる中で印象に残っているのは藤本義一のものと、井上ひさしの講義形式のもの(もう一度それらを読み返したくなりました)ですが、この本は、それらに現代的な「パソコン」とか、「ブログ」「メール」に焦点をあてているのが、目をひきました。

 確かに「パソコン時代の文章術」とか「よいブログの文章」という本が出てもおかしくないと思っていた矢先だったので、ぱっと手にとってしまいました。

 題になっているように、筆者のひとつの論点は「パソコン」という非常に便利なものができたおかげで、むかしは文章を練り上げるために要した膨大な時間とエネルギーをかなり節約できる時代になったため、推敲の回数も増やせる⇒良い文章が書けるということです。

 その対比的なこととして、そういうものがなかった時代のいわゆる「名文家」たちの「悪文」を多く取り上げて、「私だったらこう書く」という作業を見せてくれています。この着眼点は、なかなかおもしろいし、ちゃんと文章をチェックする目があれば、われわれも良い文章が書けるのだというポジティブなメッセージとして受け取ることができました。

 ブログという媒体を通して送るべき文章についても、第2章「ブログはパソコン文章術の道場だ」で、存分にさまざまなテクニックを紹介しており、実用的です。しかし、もっとも筆者が強調しているのは、ブログを書く者の書く「内容への愛情」ということ。

 曲がりなりにも、ブログを1年くらい続けてきて、自分なりに気がついていたことがやっぱり正しかったんだと思える部分が、技術的にも、ブログの将来性とか、ブログに大切なのは筆者の内容への愛情だとかいう見解の部分でも確認できたことがうれしいなと思いながら、楽しく読みましたし、「ブログ文章作成のための座右の書」として手元においておきたいという感想を持ちました。

 もちろん、文章論一般としても内容は充実しており、一読し、手元においておく価値のある本だと感じました。鐸木サンのほかの本も、仕事術、文章術として役立ちそうなものがありそうなので、続けて読んでみようと思っています。

鐸木 能光
デジカメ写真は撮ったまま使うな!―ガバッと撮ってサクッと直す
鐸木 能光
パソコンは買ったまま使うな!―フリーソフトで作る快適環境―
鐸木 能光
そんなパソコンファイルでは仕事ができない!
鐸木 能光
テキストファイルとは何か?―知らぬでは済まぬ電脳社会の常識
鐸木 能光, SCCライブラリーズ
ワードを捨ててエディタを使おう

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久々観戦記 行ってみんさい、相撲!

 今日は、久々の相撲観戦。いや、文句なく楽しいイベントです。


 今日のメインは全勝で走る琴欧州と、それを阻止しようとすて朝青龍の激突でしたが、ブログを読ませてもらっている普天王関(普天王関のブログ )も注目して観てました。今日は、めでたく勝ち星。おmでとう。


普天王勝つ!


 もちろん勝敗だけはテレビで分かるし、テレビで観てても分かる面白さはある。例えば高見盛の立会い直前の気合いれ。でも、会場に広がるその所作への反応。さまざまな力士への観客の歓声。NHKでは音がでない懸賞スポンサーの宣伝文句など。。。


 国技館の内外で見ることのできるものも、相撲観戦の楽しみ。それに何よりお祭りに参加しているようで、高揚した気分になり楽しいです。少し、写真でその雰囲気をお伝えすると。。。。


nobori  kokugikan

kennsho  chaya

nobori2  cup


 ついでにおのぼりさんになって、全取組が終わって、力士が出てくる門のところで、誰が出てくるかなと待っていると、安美錦関が付き人を従えてタクシーの方へ。「写真良いですか?」と声をかけると振り向いてくれましたが、こういう時に限ってフラッシュがすぐ焚けず。。。少し不機嫌な感じの顔で写ってしまいました。すみません。渋い相撲で好きな力士の一人です。


aminishiki


 そうそう、普天王関の取組ではアメーバの懸賞が掛かってました。ブログの威力だ!


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父と暮らせば 井上ひさし著

井上 ひさし
父と暮せば

 広島弁で書かれた原爆の本。


 故郷のことばの不思議な魅力、説得力と、ストーリー時代のせつなさに何回も泣きそうになりました。


 原爆投下直後の広島で、家の下敷きになった父を助け出そうとする娘、そして自分を助けようとするその努力そのものが、娘を炎の中で死なせてしまうという懸念から娘にその場を立ち去れと叫ぶ父。。。


 井上ひさしは、こういうことが繰り返されてはいけないという思いから、「あんなむごい別れがまこと何万もあったちゅうことを覚えてもろうために生かされとるんじゃ」と幽霊になって登場する父に娘に向かった言わせたということのようだ。


 それだけではない。


 父をそういうかたちで失って「自分は幸せになってはいけない」と思う娘が恋におちる。その娘の中に「でも幸せになりたい」という気持ちが生まれる。この戯曲では、その娘自身の気持ちを「娘の恋を応援する幽霊になった父」と登場させて気持ちを代弁している。


 「原爆の悲惨な経験は語り継がれるべきだ」ということは簡単だが、この本を読んで、最近そういう使命感で被爆体験を語り継いでいる多くの被爆者の人たちは、「できれば忘れてしまいたい」体験を「でも伝えなければ」と思うようになるまでに、実に多くの葛藤を経てこられたのだろうなと思いました。


 最後は、死者は生きているものの幸せを願っているというメッセージを父からもらったと確信し、迷いなく好きになった人との結婚を決意する娘の潔さに、心地よい読後感と元気をもらいました。


 広島弁がちーとむずかしいかも知れんけど、だまされたー思ぉーて、まぁ、いっぺん読んでみんさい。


 宮沢りえと原田芳雄が出ているこの物語のDVDがあるそうなので、観てみようと思いました。


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丸の内シャトル 

 丸の内界隈に勤めるようになってから約半年があっという間に過ぎてしまいましたが、乗ろう乗ろうと思って乗り損ねていたのが「丸の内シャトル」という無料バスです。


 JR有楽町線有楽町駅付近から、サンケイビルまでの丸の内オフィス街と横断する便利な、しかも無料のバスです。


 有楽町から例えばパレスホテルに行くには、JRに乗って一駅、それから少し歩いて。。。歩くには少しあるし、タクシーに乗るには二の足を踏むこの距離。この辺りの心理を絶妙について企画ではなかろうかと、私的には高い評価を与えたいと思います。


シャトルマップ全体 写真をクリックすると拡大写真になります。


 今日はご愛嬌に、新国際ビル前で乗り、ひまにまかせて(それと少し眠かったので)サンケイビル、パレスホテル経由で、郵船ビル前までの全コースの約半分を制覇(といっても、ただ座っていただけですが)しました。何も、郵船ビルまで行かなくても、三菱ビル前で降りれば用は足せたのですが、そこは持ち前の好奇心で、徒に余計な時間を、少しうつらうつらしながら過ごしました。


 乗客は皆さん丸の内界隈で働いている人たちかなと勝手に想像していましたが、結構観光客風の方々も乗っていらして、丸の内、二重橋界隈遊覧の旅を楽しんでいらっしゃるようでした。たまには、こういう乗り方も(どうせただだし)面白いのではないでしょうか?


 外国や地方からお客さんが来られた折なぞ、東京オフィス街超コンパクトツアーとしてご案内されてはと思い、紹介させて頂きます。


 なお、この無料周回バス、東京駅八重洲口側からも出ているようで、案内図を見ると、東京駅から日本橋三越といった、ちょっと地下鉄の便も悪いが、タクシーで行くのは癪に障る距離をうまくカバーしているように思えます。


 よろしいんじゃないでしょうか?


丸の内シャトル


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めざそう!ナナメ出世 杉山 勝行著


 現在出版に向けて私が師事している杉山勝行さんの1996年の著作です。杉山さんの本の紹介もこれで4冊目です。


 とかく自分の才能を何とか活かし、第二の人生につなげるなどどいうことを考えている人は、自分の勤務先の仕事と、その第二の人生につながる仕事のリンクを敢えて断ち切り、「仕事は仕事、これはこれ」と考えがちですが、副題の「会社にいながら世に出る方法」という方法を具体的な例を示して提示したおもしろい本です。


 著者によれば、「ナナメ出世」とは次のようなことだそうです。


 「社内で評価され、課長、次長、部長、役員と役職の階段を上がっていく「タテ出世」か、そんなに待っていられないとばかりに会社を飛び出し、自分一人の力で事業を始める「ヨコ出世」か。確かにそうやって成功した人もたくさんいるから、それを否定はしない。


 だが(中略)。。。


 会社組織に属したままで、そのメリット・恩恵をフルに活用しながら、社内ベンチャーで事業を起こしたり、著作を出版したり、大学の講師や教授になるという出世法ーそれが本書のテーマ「ナナメ出世」である。」


 実際に全体を「社内企業」「著作の出版」そして「大学の教壇に立つ」という3つのアプローチごとのインタビューに基づいた実例で紹介する内容となっています。これも、杉山さんの手法です。


  私などは、今の会社に入って、いわばある分野のスペシャリスト的な位置づけで仕事をしています。こうしたサラリーマンのメリットを最大限に活かしつつも、おそらく「タテ出世」には縁も興味もない人間には最適の指南書のように思います。


 何も独立やはやりの「週末起業」が唯一の自分を活かす道ではなく、リスクを最小限に抑えながら、自己実現を図るという発想は、第二の人生について考えなければならない40代後半以降のサラリーマンには必要なことだと思われます。


 1996年というバブルの崩壊前に書かれた本で、実例に「ツカサ」の川又社長が登場したりしているだけでも興味深いのですが、ここに登場された皆さんの「本書後」の足取りを辿るという面白い読み方もあります。皆さん、それぞれ活躍されており、ここで取り上げられている「ナナメ出世」の手法が、実効の上がるアプローチであることをその後の歴史が証明しているという見方もできます。


 新刊ではないので、アマゾンで古本として購入されるのが、現実的かと思います。是非ご一読を。


杉山 勝行
めざそう!ナナメ出世―14人の実例に学ぶ「会社にいながら世に出る法」

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桂三枝という生き方 桂 三枝著

桂 三枝
桂三枝という生き方

 本を読むときの読み方は、私の場合2通りあります。

 

 ひとつは辞書的な読み方。


 タイトルとか目次だけ見て、役立ちそうな場所を中心に、場合によっては全部読むことなく、必要と思われる箇所から情報を取る目的で読むやり方です。


 今ひとつは、著者の語るままに、書かれたままに読み進んで行くという読み方。この場合は、途中で興味を失って、読むのを止めてしまうこともあります。


 第一の読み方は、読書というよりサーチに近いですね。そういう意味では、本当の読書というのはふたつめの読み方なのかも知れません。


 こちらの方は、著者との対話という感じです。但し、通常の対談と違って、本の場合は、私の問いかけにすぐに著者が答えてくれる場合もあれば、だいぶ間があってから答えてくれることもあり、あるいは無視されることもありますが。。。この本についてはもちろんふたつめの読み方をしました。


 もともと三枝さんの創造力、プロデューサー的な側面に注目していた私は、その原動力みたいなものを見つけたかったのですが、その源泉がかなり理解できたように思います。


 父親を赤ん坊の時に亡くして親戚を転々として少年時代から始まり、親の希望を裏切る形での落語の道に進んだこと、それからの人々との出会い。どれも、短いテレビ番組ではとても観切れるものではない充実した内容です。


 テレビで知っているけど、実のところはあまり知らなかった多くの芸人の方々の話は興味深いものがあります。やすし・きよし、枝雀、仁鶴、さんま、さらにはダウンタウンまで、三枝さんからみたそれぞれの芸人の人柄、芸の特長などを読むと、なるほど、そうなのかと思う部分が多くあります。


 そういう多くの仲間、あるいはライバルたちの中にあって、彼のいう「太く・長い」芸能生活を送るために、どのように自分をポジショニングをしていったかという過程は、人生の一般的な教訓としても役立つ部分です。この間彼が経験した病気を克服も同様です。


 あるときはミュージシャンだったり、あるときは脚本家、またあるときは映画監督。。。その他にも将棋が趣味だったり、そうした驚くほど多彩な、しかもアマチュアの域を越えた活躍の中に、一本創作落語という芯を見出し、しっかりそれを自分のトレードマークにしたことが成功のかぎだったように思います。


 本の最後の方は、さすがに還暦を過ぎた方らしい、多くの出会っては亡くなっていった人たちへのメッセージがあってしんみりしますが、最後は「まだまだやりまっせ、いらっしゃーい」という感じで明るいのりで終わっています。


 400ページもある本でしたが、楽しく読みとおせました。


 それと、一箇所誤字をみつけました。66ページの3行目、「大村(おおむら)崑」が「木村(きむら)崑」になってました。あまりたいしたことではありませんが。。。


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あなたも書けるシナリオ術 三宅直子著

 先日読んだ星野卓也さんの「思わず買ってしまう・・・マインドコントロールマーケティング!」に刺激されて、「そうか、ものを売るために、シナリオを作るノウハウは役に立つのだ!」といつもの好奇心がむくむくと頭をもたげ、「シナリオ本」を2冊ほど仕込みました。


 その記念すべき第一冊目が、今日紹介する本です。


 著者は、多分、知る人ぞ知る(=シナリオ・ライターを目指す人なら誰もが知っているのだろうと思います)、今風にいうなら「カリスマ主婦脚本家」と思われる三宅直子さんです。


 さまざまなテレビ番組の脚本を手がけておられて、巻末に掲げてある作品の中には「キャプテン翼」とか「カレー屋ケンちゃん」などの「ケンちゃん」シリーズ、「ちびまるこちゃん」など、聞き覚えのある番組名が並んでいます。


 途中まで読んで、さすがに脚本を書く人は、情景を読者が思い描くような描写ができる人だなということと、「でも、俺にはシナリオライターは向いていない」という確信と、「この本は、俺のようなずぶのしろうとではなく、シナリオライターへの修業を始めて間もない人向けであり、まったくの「シナリオ界」どしろうとの俺に少なくとも2-3年早い」というものです。後半は、そうした人向けの、やや細かいテクニックの説明になっていましたので。


 もともと、星野さんの本を読んで、脚本家が、どうやって番組やコマーシャルを観る者をぐいぐい引き寄せ、ついに購買に至らせる筋書きをつくるかというところに興味があったので、ちょっとあてがはずれた感じがしました。


 しかし、これは私の勝手な都合です。


 読み物としては、脚本家らしい読みやすく、楽しい文章で、先生が生徒に教室で教えるように書かれているこの本は、おもしろかったです。既に書いたように、シナリオライターを目指して既に一歩踏み出した方には、よい入門書だと思います。


 もう一冊だけ、「シナリオ」本に挑戦して、ご報告しようと思っています。では。。。


三宅 直子
あなたも書けるシナリオ術

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『永遠の旅行者(上巻・下巻)』 橘玲(たちばな あきら)著

久々に「7Kids-Fatherさん」の登場です。

今朝、通勤の電車の中で読み終えた感想を、湯気の出ているまま書いて頂きました。

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大手弁護士事務所を若くして辞めた元弁護士が主人公。弁護士資格も放棄して居住国を特定せず、自由に暮らしている。彼は、日本国内であろうが海外であろうが、法律の知識と会計・税務の知識を駆使してコンサルティングを行い、報酬を得ている。


”日本国に税金を1円も払うことなく、孫に遺産を相続させたい”この難題に取り組む主人公と心に病を持った一人の少女を中心に日本、ハワイ、NYなどを舞台にストリーが展開される。


ミステリーあり、アドベンチャーありとなかなか読み応えがあった作品でした。

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<cbohiro注>

私の友人の友人も、大成功した弁護士ですが、彼も今節税目的で米国への移住を考えているそうです。租税権は主権そのもの、個人の生きる道は、租税権の間で、どの国からも文句を言われない立場に自分をおいて、自分の財産と人生を守ることでしょうか?


本書、上下2巻の力作だそうです。脱税(いや、節税)を考えている人の指南書?

橘 玲
永遠の旅行者 (上)
橘 玲
永遠の旅行者 (下)


思わず買ってしまう・・・マインドコントロールマーケティング!


 ちょっとあやしいタイトルですが、映画やドラマの脚本、シナリオライティングの手法をいかにものの販売に活かすかというまじめな内容の書物です。


 著者は星野卓也さん。


 日大芸術学部を出て、ずっとテレビ番組、ドラマなどのシナリオ構築を業とされていた方ですが、2004年に手がけた多くのテレビショッピングの作品が大ヒットして現在は「シナリオマーケター」という肩書きを持っていらっしゃる方とのことです。


 まったく他分野の知識が役に立つということがよくありますが、このシナリオライティングの発想、技法をセールスプロセスに持ち込む著者星野さんの考え方は、私にとっては大変役に立つものでした。


 タイトルからもわかるように、買わせるためにどんな方法を取るべきか、そのプロセスにシナリオライティングの手法が役立つという内容です。


 あ、そうそうと思う記述がある反面、どうしても合点がいかない部分も多くあり、でもその部分に実は大きなヒントが隠されていそうな、そう思わせる本です。合点が行くまで、いや、その後も役に立つ本として手元においておきたいと思います。。。。。と僕に思わせるのも、星野さんのシナリオ作成のテクニックなのでしょうか?


星野 卓也

思わず買ってしまう…マインドコントロール マーケティング! TVショッピングの仕掛け人が明かす9つの心理操作テクニック


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