書評 読んでみんさい、この本! -7ページ目

ポッドキャスティングde英会話 株式会社ソフィア著

株式会社ソフィア
ポッドキャスティングで英会話! iPodで無料レッスンはじめました!

 電車の吊革広告、新聞、そしてさまざまなブルグなどを見ていると、何となく「あー、こんなことが流行っているんだ、きっと便利なんだろうな、良いんだろうな」と思いつつも、すぐには手を出さないことってありませんか?


 私にとっては、「ポッドキャスティング」なることばはそのひとつでした。


 勝手に、「あー、あれはiPod持っている人だけできる音楽の楽しみなんだ、英語の勉強についても同じ」と考えていましたが、この本を数ページ読んだだけで、それが誤りであることが判明しました。


 食べず嫌いということばがありますが、人間、新しいもの、珍しいものには、まず拒否反応を示すものですが、食べてみると以外に旨いということはありますよね。


 この本は、ポッドキャスティングの取扱説明書(最近では「トリセツ」って言うんですね)のような本で、30分もあれば読めますし、取扱説明書以上にポッドキャスティングの可能性についてワクワクさせてくれます。


 私も早速i-Tuneなるソフトをアップル社のサイトからダウンロードし、番組に登録しました。試運転といったところです。番組の数もずいぶんあって、なんだか面白そうですよ。英語学習者には、間違いなく重宝する道具になると思います。只でできます。(私の場合は、この本への投資840円なりのみです)皆さんも是非お試しを!


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前置詞がわかれば英語がわかる 刀祢 雅彦著

刀祢 雅彦
前置詞がわかれば英語がわかる

 刀祢さんは駿台専任講師とのこと。著書を見ると受験生の英語力をアップすることに力を注がれていることがよーくわかります。さすがに、長年受験生たちにいかに英語をわかりやすく理解させることに苦心されたかただから書ける本だなと思わせる本です。


 最初の章がユニークです。


 刀祢さんによれば。。。


 「目的語を考えるだけでは前置詞は理解できないのです。動詞に主語があるのと同じように、前置詞にも「主語」が必要なのです。」と。


 例えば


a. an apple on the table

b. The apple is on the table.

c. I put the apple on the table.


「上のどの場合にも、「appleがon the tableだ」という主語ー述語のような関係が含まれていますよね。」


 なるほど!


サンプルページ


また、


a. You look great ( ) that sweater.

b. The sweater looks great ( ) you.


 それぞれの( )に何が入るかを考える時、主語ー述語的関係を思い浮かべれば。。。。。


a. では You が主語で、 You は sweater の中にいるから ( )は in

b. では Sweaterが主語で sweater は you の上にいるから ( ) on


なるほど、なるほど!


 こんな調子で、ついつい刀祢さんの術中にはまって行くうちに読み終えてしまう、という感じの本です。


 この本を読むと、文法というのは、ことばのルールを理解するために、自分なりのものを持っていれば良いという気がします。自分にあった説得力のある文法が、自分にとって一番正しい文法なのだと。


 学校で習う文法が説得力十分なら、それが自分にとって一番正しい文法であっていいとも思います。


 動詞、冠詞、前置詞。。。少しずつ、私にとって良い文法書がそろってきたように思うこの頃です。


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質問する力 大前 研一著

大前 研一
質問する力

 「質問力」ということば自体が流行のように思います。実は、今斉藤孝さんの「質問力」を読み始めたところです。同じようなタイトルですが、内容的にはかなり違うようです。また改めてレポートします。


 大前さんは、日本人は質問が下手だと言います。


 その心は、日本人はさまざまなニュース、政治家、評論家などの発言の裏にある事情について、「なぜ?なんであの人があんなことを言うのだろう?」という疑問を抱くことなく、「そんなもんか」とすぐにあきらめてしまう。


 そういう「疑問を呈して、質問を投げかける」力を普段から養っていないから、道路公団のことも、郵政民営化も、あれもこれも。。。いろんなことが政治家や利権の絡んだ人たちの思惑通りに行ってしまって国が悪くなっていく。


 大前さんのこの発想法はやはり人をひきつける力があります。


 私もへそまがりで、発想はいろいろ持っていたり、疑問もあるのですが、それを押し通せず「長いものに巻かれる」ところがある。政治にも無関心。さまざまなことを切り分ける座標軸になる考え方も訓練していない。持つ機会があったのに、訓練して来なかった。


 愚痴を言い続けても仕方がない。今からでも良い、「疑問力」を持って建設的な人生を送ろうという意欲をもらったように思いました。大前さんが自身の原点だと言っている「新・国富論」を紐解いてみようかなと。。。皆さんもいかがですか?


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インタビュー術 永江 朗著

永江 朗
インタビュー術!

 先日紹介した「週末作家入門」を買いに行った時に、同じ書棚にならんでいて、しかも一番目立つ本でした。表紙は売れ筋に影響しますね。


 著者の永江朗さんはフリーライター、多くのインタビューをこなされた方のようです。


 タイトルから期待したのは、インタビューを最高のものにするための準備の方法とか、質問の種類だとか、そういうものでした。それについても、示唆の多い本でしたが、むしろ、インタビューそのものに対する自分の既成観念を変えてくれたことが大きな収穫でした。


 インタビューは、録音したインタビューをテープ起こしただけとは言わないまでも、それに近いもののように私は考えていましたが、この本で、実は、インタビューとは、インタビューを受ける人(インタビューイー)のことばを通してインタビューアーが行う自己表現なのだと考えるようになりました。


 だからこそ「インタビューには注意しなければならない」と永江さんは言います。


 私がもともとインタビュー術に興味があったのは、セールスマンが顧客の本音を引き出し、信頼を勝ち取るための秘訣がそこにあるのではと思ったからです。


 永江さんが言っている事前の準備の大切さ(という以上のもの)などは、インタビューにおいてもセールス活動においても全く同じだという感を深くしましたし、共通のものは確かにあるんだろうと。


 今回の読書は、それを確認する以上の収穫があり、嬉しいものとなりました。


 皆さんも、これを読まれるとインタビュー記事がおもしろくなると思います。ちょうど、テニスプレーヤーがプロの試合を見ると、ひとつひとつのプレーがどれほどの難易度のものなんか、自分でも真似できるレベルのものなのかそうではないのかが良く分かるように。。。


 それと、今からインタビューで食べていくぞ、と力んでみても、おそらく永江さんの域には達することはできないだろうとも思いました。同時に、それなら、この本のレベルで解説できるような自分にしかない何かを確立すべきなんだろうなとも思いました。


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生涯最高の失敗 田中耕一著

田中 耕一
生涯最高の失敗

ノーベル賞受賞者の田中耕一さんに「生涯最高の失敗」という著書があります。


 その中で氏は、ある学会で外国の権威が話した内容が間違っていたため、それを正したくて必死にその権威に英語で話をしたと書いています。普段は英語をしゃべるのが苦手で、かつ「上がり症」の氏が、学問上のちゃんとした議論をその場でやりたいという熱情から、英語で訴えかけたということのようです。

 英語の上達というより、英語でしゃべることができる条件の第一は、こうした「自分を伝えたい」という強い願望にあるのではないでしょうか。

 同じ本の中で、氏は、ある先生からさかんに「英語で論文を書け」といわれ、半ばしぶしぶそうしたことが、ノーベル賞につながったとも書いています。


つまり、日本語で書いた彼の研究成果が国内では誰にも認められず、英語で書かれた論文を見て、海外の研究者たちが先に彼の業績を認めたという皮肉な展開についても言及していて、なかなか面白い本でした。ご一読をお勧めします。(個人的には知り合いではないけれど、同じ大学の後輩なので、応援したいと思います)。


 島津製作所で、田中さんへ社長賞1000万円が贈られたことは有名ですが、島津製作所社員を友人に持つという人から聴いた話しでは「ノーベル賞でも1000万円。。。」と社内では落胆の声が実は多かったのだとか。


 UCサンタバーバラの中村教授は6億円(でしたっけ?)でも、大いに不満と言っていたのとは対照的ですが、個人の発明にそのくらい報いる方が、会社にとっても良いのではと思いました。


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週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう

廣川 州伸
週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう

 この本は先日ご紹介した松山真之介さん にお会いした時に、松山さんが話しを始める前に見せて下さった本です。


 帯のことばに元気が出ます。「日々の苦労こそ「ネタ」になる」。この言葉以上にビジネスマンを続けながら、いつか本を出したいという希望を持っている人たちを元気づけることばはないでしょう。


 著者の廣川さんは1955年生まれ、私の一年先輩。


 ビジネスマンも日々の仕事という立派な題材を持つ作家のたまごであるという立場で「日本ビジネス作家協会」というNPOの事務局代表をつとめていらっしゃるそうです。読んだ後、いや、読んでいる最中から是非この方にお会いしたいと思うようになりました。


 私自身は何とか今年中に出版の目処をつけ来年前半には何かを出したいと思っています。私のようなサラリーマンは世の中にごまんといるのでしょう。そんな人たちが、廣川さんや、この書中に出てくる司馬遼太郎、高杉良、堺屋太一、幸田真音など、多くの先輩たちの仲間入りができたら、なんとすばらしいかと思います。


 長い人生、今後の私たちの世代、第二の人生を考えなければならない者たちへのひとつの生きるヒントであるようにも思いました。これまでやってきたキャリアを棚卸しすることを廣川さんはすすめています。この棚卸しからビジネス書や経済小説までも書くことができるというメッセージに添えて、廣川さんは出版にこぎつけるためのこまごまとした手ほどきをされています。


 テーマの探し方、構想のつくり方、企画書の書き方、文章術、はては編集者との人脈作りまで。。。


 こういったものは、これまでは人に教えようとする人が少なかったんだと思います。そういった意味では画期的な一冊のように思います。「週末起業」の次は「週末作家」が人気を博すのでは、そして、サラリーマンが作家になることが特別なことでなくなる、それが世の中のコンセンサスになるのではないでしょうか。この本が、その大きな契機になるように思います。


廣川さんのプロフィール


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これであなたも英文記者

伊藤 サム
伊藤サムのこれであなたも英文記者

 ある英語研修講師が「英語研修を実施にあたっては、単に語学の上達ということではなく、英語的な発想や、コミュニケーションの方法、考え方というビジネススキルを同時に身に付けるために行うべき」という発言をしていました。


 この本は、英文という異国の言語を書きながら、「書くこと」そのものに対する姿勢を教えてくれます。


 英文を書くとき、特にノン・ネイティブとしての限界を感じるのは、冠詞の部分ですよね。しかし、この本では、非常に丁寧に丁寧にこの冠詞の部分の解説に力を入れて解説してあり、ノン・ネイティブでも「やれるじゃないか」という気持ちにさせてくれます。


 もうひとつの悩みが、前置詞。"in"なのか"at"なのか、"for"なのか"of"なのか。。。


 これについても、じつに丁寧な解説です。どのレベルの英語学習者にも何か発見があるはずです。少なくとも、こうしたことばの使い方について敏感になることは確かです。


 著者の伊藤サムさんは、ジャパンタイムスの編集局長。


 英文の書き方に悩む後輩の記者たちをコーチしてきた内容を、ずっと雑誌に書き続けて、本にまとめたのがこの本の前書だそうです。社会のさまざまなところで行われているコーチングが、こうしたかたちで世に出て、直接伊藤さんとお会いしたことのないわれわれにも恩恵を与えてくれる、このことがすばらしいと思いました。


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使える金融英語 100のフレーズ 柴田真一著

柴田 真一
使える金融英語100のフレーズ

 柴田さんはロンドンで働く現役証券マン。東洋経済に連載されていたものをまとめられたのがこの本だそうです。


 「たった100のフレーズですぐに表現力倍増」というサブタイトルは?ですが、柴田さんのロンドン生活のにおいをかぎながら、金融記事によく出てくる英語を整理すると、なるほどこうなるのか。。。と思いながら読みました。


 専門分野の英語をマスターするための技術をどう確立するかというのは、実はトレーナーをやった経験もある私にとってひとつの課題であり、この本も材料を与えてくれました。例えばこの本で紹介されている計500もの例文を、昨日私の英語ブログ でもご紹介した「英語九九」のような手法で、繰り返し、繰り返し体に叩き込むような方法を組み合わせるのが最良の方法なのかなと思います。


 もうひとつ言えば、ある業種の英語に精通するには、いくら人の解説を読んでも分からない部分が一杯出てくる。金融の世界にいないと、その中の一部の職種でした使わないことばの意味はやはり分からない。それは、実務経験の不足の故です。


 こういう意味では、ここを補うような金融そのものを英語で解説するような本の存在が望まれるところです。柴田さんも、金融英語のメルマガを発行されているとのこと。このあたりの問題意識をきっとお持ちなのだと思います。


柴田さんのメルマガ


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オバケの英語 明川 哲也、クレイグ・ステファン著

明川 哲也, クレイグ ステファン
オバケの英語

 昨年、六本木ヒルズ内にあるアカデミーヒルズで、明川哲也さんという方の講演会に行ってきました。

 ミュージシャンである明川さんが、ニューヨークのライブハウスで活動するため、発音を徹底的に直さなければいけなかった体験を下に、ごまや、まめや、竹輪などを使って、本当に分かり易く英語の発音をネイティブに近づけるノウハウを話してくれました。

 彼の体験をベースにした話は本当に面白く、かつ、話術も軽妙。久々によい話が聴けたなという印象と、彼の主張が私の主張と似通った所もいっぱい有って、「我が意を得たり」という気持ちになりました。私が知らない、あるいは考えたこともない練習法も教わりました。

 英語の子音は口の中で起こる気流と音の組み合わせであるというユニークかつ説得力のある切り口、気流だけの子音とそれに音を組み合わせた子音のペアがいくつもあるということなど、どの教科書にもないような話がいくつもありました。


 2時間を越える講演も、面白いままにあっという間に終わってしまいました。最後に聴いた(聴き取りの材料として流された)ビリー・ジョエルの「オネスティー」も懐かしくて良かったです。

 もっといろいろありましたが、書き切れません。ひとつ言えるのは、彼のアプローチは英語の発音を良くするには非常に効果的であろうと思われることです。講演中に聴衆をステージに呼んで行った実験が、実際に効果をその場で現したので、そう思いました。
 
 やはり、人の話をたまには聴かなければとつくづく感じた記憶があります。


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「認知症」とはどんな病気?―「認知症」の正しい理解のために 灰田 宗孝著

灰田 宗孝
「認知症」とはどんな病気?―「認知症」の正しい理解のために

 認知症=痴呆ということばの上での図式はなんとなく知っていても、「認知症」の内容については私自身は何も知らなかったことを認識させてくれる本でした。


 認知症とぼけの関係、老化と認知症の関係、記憶喪失と認知症。。。何がどう問題なのか?


 こうした問題は、いつかは、いや、実は目の前の問題であるのに、とりあえず何も起こっていないので、目をそらせている問題であると思わされました。と同時に、認知症にならないための生活様式のようなもの、なってしまった時に備えた対策などなど。。。具体的な提言があって好感が持てました。


 使っていれば、脳は再生機能もあるというところは勇気付けられる部分でした。


 お医者さんが、ふつうの人のことばで認知症を説明してくれていて、参考になりました。


 以前紹介した成年後見制度の利用のすすめなど、医師としての目からの医学の解説書ではなく、生活者の目で、具体的な提言が多くあることでも好感が持てました。おそらく、私のような一般人の意識が低いために、どうしても認知症に対する最低限の知識をひろめなければという使命感も感じる好著でした。


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