はじめての講師デビューノート
- 片岡 五郎, マダム路子
- はじめての講師デビューノート―折り返しの人生にライトがあたる!!
先月紹介しました片岡五郎さんと、マダム路子による著書です。
マダム路子は、品川庄治というお笑いコンビの品川のお母さんだそうで、国際魅力学会会長という肩書きをお持ちの方です。
この本は、副題の「折り返しの人生にライトがあたる!」ということばにも象徴されるように、これまでの人生経験を生かして、講師として第二の人生を歩みませんか、私たちがご指導しますよという内容の本です。
やはり、人は見た目が大切とのことで、「好かれる、人気講師となる秘訣」が紹介されています。片岡さんの役者人生からにじみ出るような秘訣も多く紹介されています。
自分の経験をお金に変え、生きがいにするという生き方を目指す人には格好の入門書です。
近々、片岡さんの講演を聴くことになっています。その後、この欄に追加コメントをしたいと思います。
発声力―「ボイストレーニング」であなたの人生が変わる! 亀渕 友香, 松永 敦
- 亀渕 友香, 松永 敦
- 発声力―「ボイストレーニング」であなたの人生が変わる!
亀渕さんは久保田利伸、杏里らを指導したボイストレーナーとの実績を持つ方だそうですが、私には一時フジテレビvsライブドアさわぎで有名になったニッポン放送の亀渕社長の妹さんとして記憶していました。現在は、ゴスペル歌手として実力者だそうです。最近のことはあまり知りませんでした。因みに亀渕社長は、私の高校時代、ニッポン放送の人気深夜番組「オールナイトニッポン」で「カメちゃん」とか「カメ」と呼ばれていた人気ディスクジョッキーでした。
横浜の桜木町駅に降りた時、コインロッカー用の小銭をつくる必要があって、すぐ近くにあった本屋で文庫本を眺めていた時に、表紙からはみだしそうな迫力の写真が目に入り、思わず手にとってしまいました。最近ボイストレーニングに興味を持っているからなのですが。。。
なるほどと思ったのは、最近、声を使ったコミュニケーションが世の中全体からどんどん減っていっているという指摘です。隣同士机を並べていてもコミュニケーションはメールだけ云々は、既に言い古されている感じですが、コミュニケーションにおける声のインパクトは非常に大切な中、それが軽視されているのは、確かに決してよいこととはいえないように思います。
また、「あなたは、一回も声を出さない日はありませんか?」という問いかけにもハッとさせられました。ぐうたらにすごす休日などは、テレビを見て笑うくらいで、一日誰ともコミュニケーションがないという体験は、多くの人が体験していることではないでしょうか?
長く住んでいたアメリカに比べて、日本の街は声を掛け合う姿を見かけることが少ないと思います。
もうひとつ。亀淵さんのいう「ゼロの声」。これは、個々人の持つ本来の声なのだそうです。ボイストレーニングはこの「ゼロの声」を知り、これを活かす訓練であると。その主張は、声はそれぞれの人に与えられた、その人しか持っていない欠けがえのない宝物だという考え方に支えられています。
私の、私の「ゼロの声」を見つけたくなりました。
部下は必ずついてくる!「叱る」魔術 片岡五郎著
- 片岡 五郎
- 「叱る」魔術―部下は必ずついてくる!
片岡さんは悪役俳優兼人材育成コンサルタントとして企業研修などでも人気の高い方だそうです。
近々私が企画、立案する会議で講師としてお招きすることになり、最近直接お会いする機会を得ました。この本はその時片岡さんから頂いたものです。
片岡さんとの会話の中で印象的だったのは「自分が自分を見ることは一生できない。自分は人に見られるためにいると思うこと」ということばでした。
鏡を使えば自分を見ることができるというのはそうかも知れないが、生身の自分を、他人が見るように見ることは確かに不可能です。もちろん、映像というかたちで後で見ることはできるようにはなりましたが、本当の意味で、自分を他人が見るようにみることは、言われてみれば不可能だなと。。。
そこで大切なことは、片岡さんによれば、「今の自分は、他人からどういうふうに見られているか」を客観視できる自分を持つことなのだそうです。今、ある行動をとっている、あるいは言葉を発している自分を相手はどう観ているだろう、そして何を思っているだろうということを想像することなのだとか。
私自身、言われて見れば、今この瞬間の自分が他人からどう見られているかを客観視するということは意識したことがありませんでした。この「自分を客観視」することを仕事としている人から俳優さんから見ると、一般人に欠けている視点なのだそうです。なるほど!
今日取り上げた本は、「叱る」というテーマを通して、他人に自分はどう見られているのか、その見られている自分を、相手にとって好感の持てる、一緒に仕事をしたい上司にするにはどうしたら良いかということを教えてくれます。
丁寧にも、自分を客観視する訓練法などもあります。また、こういうしぐさや表情をすると、なるほどこういう風に見られているんだということがよく分かるように、写真をたくさん使って見せてくれています。さすが俳優さんです。
少し前に、「人は見た目が9割」という本をご紹介しましたが、その本の帯に書いてあるキャッチフレーズが「理屈はルックスに勝てない」というものでした。今日の片岡さんの本のメッセージにも通じるものがあります。
見た目の他に、声も大切だそうです。私がボイストレーニングに着目したのは、あながち的外れではなかったと。。。楽しく、嬉しい読書でした。
書の至宝展 上野国立博物館平成館
たまには文化の香をということで、上野の森に行ってきました。
2月19日まで開催されている「書の至宝展」 という中国と日本の歴史的に有名な書家や有名人の残した書の展覧会です。
小学生から高校まで書道を習っていたので、王羲之(おおぎし)という偉い書家の字を模して書きなさいと言われたり、空海、小野東風、良寛などの著名人が、書家であったことなども少しは知っていましたが、こういう展示を見るときは、もっとそういうことを勉強しておけばよかったと思うものです。
聖徳太子の字だとか一休禅師の字だとか、そういう展示もあり、ひとつひとつの文字に、思いを込めて書いた様子が思い浮んできて、何となく、そういう歴史上の人物の隣で、書かれる手紙やお経、屏風などを観ているような錯覚を覚えました。
書いてあることの意味はほとんど分からなくても、書というものは、ひとつひとつの形や、紙の上の文字全体の配置などが美しく、芸術性を感じさせるものだと思いました。
また、奥州平泉の中尊寺に残る青い下地に金と銀の文字で書かれたお経や、きらびやかな紙の上に書かれた古今和歌集の歌の書付などは、時の権力者の力を彷彿とさせるものがあります。
王羲之をはじめとする中国の書家の作品は、一様におおらかな筆致で、いかにも大陸の文字だと私には思えました。
私などは、知識不足のため、おそらく非常に浅い楽しみ方したできていないのでしょうが、それでも、「いいものにふれた」という感動が味わえました。
開催は今月の19日までだそうです。2時間くらいあれば、結構じっくり観ることができるのではないでしょうか?
国立博物館平成館という場所も初めて入りましたが、立派な設備だし、周りの環境も含めて、心落ち着ける場所です。是非!
なぜ彼女はこの店で買ってしまうのか 藤村 正宏著
あなたと、あなたの奥さんのどちらがもの持ちでしょう?持っているバッグの中身のものの数は?
こういうシンプルな質問で、消費を動かしているのは女性なのだなと感じることが確かにできるような気がします。銭湯で、相手の体形とか下着のデザインとかを、お互いにほめあって、脱衣場が一気に社交場に変わるということは、女性のみに起こる。。。確かに。
男と女は、脳の構造が違っていて、いい情報があると、自分で持っていられなくて、周りの人たちに伝えまくるのは女性である。
こういう、実感に基づいた女性市場の重要性を説いているのが、この本です。
マーケティングという部署に新たに配属され、今女性マーケットについての調査をまとめているプロセスで出あった本です。
最近「○○脳」ということばが流行っていますが、マーケティングに携わるものは、「女脳」を理解しなければいけない、と思わせる本でした。読んでいくうちに、「こんなこともやりたい、あんなことにトライしたらおもしろいかも。。。」など、次々とアイデアが出てきて、この本自体が刺激一杯の楽しい本でした。
マーケティング初心者、女性マーケットをどう取り込むかなどの課題を持っている人におすすめです。
いい声になるトレーニング―人に好かれる。信頼される。
- 鈴木 松美, 福島 英
- いい声になるトレーニング―人に好かれる。信頼される。
ちょっとしたことにトライしたこと、ちょっとした新しい知識を身に付けたことで、自分の世界が変わることってありますよね。
先日入会した通訳技能向上センターというところで、過去数回、通訳者または通訳を目指す人向けのボイストレーニングコースを実施したとのこと。昔から、声が小さく、それゆえに損をしていたと思うことの多かった私は、俄然これに興味が湧きました。
そうした折に、ふと立ち寄った本屋で目にしたのが、よく目立つ表紙のこの本でした。
確かに言われてみればと思える説明が多くあります。
特に、声を聴けばその人の健康状態ばかりか、どの辺りが悪いかと分かるということまで分かるそうです。また、どんな環境で録音されたかも分かるとか。。。オサマ・ビン・ダディンが出した声明で、健康状態が悪化したいることや、およそ10メートル四方のセキュリティ装置のある部屋で録音されたとか、そんなことも分かるそうです。
また、いい声は、天性のものというより、訓練して作り出すもの、そしていい声とは、自分の本来の声が最大限活きる時に出るのであるといった、励まされるメッセージをもらいました。
読み終えたとたん、通訳技能向上センターで2月に開催されるボイストレーニングコースに申し込んでいた私でした。声で人生を変えるぞ!
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人は見た目が9割 竹内 一郎著
- と
- 竹内 一郎
- 人は見た目が9割
久々のアメリカ出張の行き帰りで読もうと買い込んだ新書の一冊です。
短い時間で本を選ぶ時、やっぱりタイトルが決めてですね。「人は見た目が9割」とこの本の著書はいっているけど、「本も見た目が9割」かも知れませんね。
内容は、ノン・バーバル・コミュニケーションに関わるかなり広範な内容の本です。演出は、ノン・バーバル・コミュニケーションをつないでいくものといわれて、かなり納得感があります。
マンガの伝達力の強さ、ことばをあえて使わず、映像だけで万感の思いを表すことができること、顔の表情の大切さ。。。ノン・バーバル・コミュニケーションの大切さ、これを無視することの恐ろしさを教えてくれるあまり類書のない好著。あっという間に読み終え、畑村さんの本に移りました。
いろんな人にお勧め!
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自分の企画を本にしよう! 畑田 洋行著
一ヶ月ほど前にこの本の著者にお会いする機会がありました。
畑田さんご自身が10冊の本を出した経験を基に「本を出したい」と願っている人たちを指導する「塾」をオンライン上でなさっており、これをビジネスにされているのです。目の付け所が素晴らしい。
「出版塾」というネーミングが新鮮で、いつかこの人の本を読んでみようと思っていました。私自身、今年は本を出すことを目標にしているので、これまでも指導してくださっている杉山勝行さんに加えて、もうひとりのの師匠にお会いできた訳です。
企画が出版社に認められる大きな要因のひとつとして、畑田さんは企画が他にはない「差別化された」ものであるということを上げられており、しかも、それは「実体験に基づいていれば、すでに差別化された」コンテンツを持っていることになると書いておられて、「僕にも、差別化できる中味があるのだ」と意を強くしました。
また、別の要件として、編集者に「スゴい」と思わせることというのがあって、これについては、「特定の分野では普通でも一般の人は「スゴい」と感じる」とも。これも、元気の出ることばです。
昨年来、出版に向けてそれなりに準備はしてきているのですが、非常に具体的に、本の企画を通すポイントと、企画書を書き上げるところまでの具体的な手順を公開されていて、「もっと早く読めば良かった」と思いました。
ちなみに、「塾生の75%がメジャー出版をはたした」という帯の文句は、ご本人によれば、「やや控えめな数字に敢えてしてある」とか。弟子入りしようかな!
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仕事と人生に効く100冊の本 松山 真之助著
- 松山 真之助
- 仕事と人生に効く100冊の本
松山さんが企画、運営されているJ-カレッジという催しに参加して来ました。
「早朝起業」 という本を以前紹介しましたが、その著者でスーパー・ビジネスマンです。
その松山さんが、運営されている有名な書評メルマガ で紹介された書評をまとめられたものです。書評サイトで書評の本を紹介するのも、おかしな感じもしますが、同じ書評をやっている者から見ると、「ものが違う」と脱帽せざるを得ないということで、紹介することにしました。第一、松山さんは毎日1冊の書評を何年にもわたってアップされていますが、私の方はそのペースには、読むほうも書くほうも追いつきません。
そういう訳で、私がまだ読んでいない本、読みかけにしたままの本をたくさんこの本で紹介されていて、読みたい本が増えて困ってしまいました。きっと、皆さんにもお役立ちだと思います。
松山さんも書かれていますが、本との出会いは「本を通して人に出合う」ことだと思います。
おそらく本好きというのは、その感覚を持っているのだと思います。松山さんのメルマガのサイトが、J-カレッジのような企画につながったのは、そう考えると必然の流れであったように思います。私も、この書評サイトと英語のブログを通じて何人かの方々との出会いがありました。これからも、松山さんをお手本にしたいとの意を強くした一日でした。
講演は分かりやすい著書の多い田中靖浩さん の貸借対照表に関するものと落語家の立川志の吉(「ためしてガッテン」の司会をしている立川志の輔」の一番弟子とか)さんの火焔太鼓(かえんだいこ) のコラボレーションというとても面白い試みでした。
田中さんの講演は、一切数字を使わず貸借対照表という会計概念について語るという新たな試みで、国も企業も従来はお金の動き(フロー)のみだけを見てきたが、外人投資家の増加などの背景から、いわば経営のスナップショットである貸借対照表を重視する経営に変りつつある。
この「スナップショット=結果」のみを重視する傾向は、経営を行う上で重視すべきプロセスを軽視する傾向につながり、経営を長い目で見るという日本の良いところを失わせるばかりか、粉飾決算をはじめとする犯罪にもつながるのではないかというメッセージでした。
田中さんによれば、この「長い目で経営を見る」味方が、古典落語の世界にはたくさん出てくるということで、志の吉さんの火焔太鼓 の登場ということでした。
着眼点が面白いし、良いヒントになりました。
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10年後の日本
- 『日本の論点』編集部
- 10年後の日本
年初に、自分なりの長期計画を作る参考にしようと買って読んだ本です。
文芸春秋の『日本の論点』編集部による、日本の将来に対する予測47項目です。
ふだん接している領域については、10年後の予測を云えと問われれば、それなりに答えることができるものです。私の場合は、人口問題、年金問題、団塊の世代に関することなどですが、それ以外のことになると、自分は何も分かっていないのだなぁ、と感じました。
この本で取り上げられている領域の中で、私にとって、未知の部分だったものの中には、次のようなものがありました。(これで全部ではありません)
日本の治安
地方分権
弁護士の増加
バブル入社組
子供の虐待
教員の大量定年
教育の自由化
代理母の功罪
北朝鮮や中国の動向
この中には、私自身の今後の生き方に関わってきそうなこともずいぶん多くありました。こうしたことをもって知れば、自分の生き方、生きがい、使命などにもっと幅を持たせることができるかもしれない、と思いました。
ある分野でのプロになることに一生懸命やることも重要だけど、時々こうした本も読まないと、世の中での自分の立ち位置を誤ってしまう可能性があると反省しましたし、新たな勉強への意欲が湧きました。
年初に読む一冊として、最適書でした。
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